今回は英語の動名詞の使い方を解説していきます。動名詞は動詞を名詞のように使える非常に便利な単元です。基本的には英語の文章の名詞を置く場所に動名詞をおけば良いのですが、今回は動名詞と不定詞との使い方の違いなど少し掘り下げてみました。
動名詞って何なのか?
動名詞とはどういったものなのでしょうか。動名詞は「動詞+ing」の形とすることで、「~すること」と訳す用法です。名前から推測いただけるように、動詞を名詞として使う文法単元となります。名詞として使うものなので、動詞に「ing」をつけることで、主語として使うこともできますし、補語や目的語としても使うことができます。
主語として使う
動名詞はあくまで名詞として扱うので、主語として使うことができます。
例えば
sleeping is good for my body.
寝ることは、私の身体に良い。
なんて使い方ができます。「寝る+こと」で動詞が一気に名詞化するわけですね。
補語として使う
動名詞は補語としても使えます。
例えば、
My hobby is playing the guitar.
私の趣味は楽器を弾くことだ
なんて形ですね。
補語ってのは主語を補う言葉で「主語=補語」の関係性が成り立つのでしたね。ここでは「My hobby=playing the guitar(私の趣味=ギターを弾くこと)」となります。この文は第2文型の形となります。
文型ってなんだっけ?という方は下記の単元をご確認ください。
少し気をつけて欲しいのは、be動詞が入ってくるので、補語の部分に動名詞を入れると、見た目上は現在進行形と同じ形になってしまうのです。ただ文脈的に、間違った訳をすると明らかに変な文章になりますし、現在進行形は第2文型とは違って「主語≠動詞+ing」となりますので、動名詞を使った補語の文章とは見分けることができます。これはそこまで心配しなくても大丈夫です。
目的語として使う
また動名詞は目的語としても使えます。文型としては第3文型「主語+動詞+目的語」ですね。
例としては
He likes going outside.
彼は外に出ることが好きだ。
というように「going outside」を一つのかたまり、「外に出ること」と名詞のようにして使います。動名詞の便利なところは、動詞+ingの後ろに単語をくっつけられるので、色々な言葉が作れることです。
他にも
He left without saying good-bye
彼はさよならも言わずに去ってしまった。
みたいに動名詞は、前置詞の後ろにもくっつけて使うことができます。後述する不定詞の名詞的用法ですと、前置詞とはくっつけられないので、動名詞は本当に便利ですね。
ちなみに、上の例文は受験英文としてすごく有名で、おきまりのフレーズとしてよく出てきます。いつも思いますが中々シュールな文章ですよね。
不定詞の名詞的用法と一緒
ここまで見ると、あれ?なんか似たような単元をやったなって気がしませんか。そうです。不定詞「to+動詞の原形」の名詞的用法と同じなのです。この不定詞でも「~すること」というふうに訳しますし、動詞を名詞のように使うことができます。
じゃあこの二つは同じ使い方をするんだ!とはいかないのです。
もちろん同じように使う場面もありますが、使い分けをすることもあります。
文中で前に置く動詞によって動名詞しか使えなかったり、逆に不定詞しか使えなかったり、動名詞も不定詞もどちらも使えるけど、使うと意味が違ってしまったり、と色々細かいルールがあります。いきなり全部覚えるのは大変なので、簡単なものから覚えていきましょう。
不定詞と動名詞の使い分け
文章によって不定詞を使ったり、動名詞を使わないといけなかったりということが必要になってきます。この使い分けですが、動名詞、不定詞として使う動詞は関係ありません。
文章のメインとなる部分の動詞が何かによって、後ろに動名詞を置くのか不定詞を置くのかが変わってきます。
分類すると
・動名詞だけしか使えない動詞
・不定詞だけしか使えない動詞
・どっちを使っても良い動詞
・動名詞と不定詞で意味が変わる動詞
の4パターンに分かれます。動詞は無数にあるので、全部覚えるのは中々難しいですがメインのものだけピックアップしてみました。
動名詞だけしか使えない動詞
「mind」「enjoy」「give up」「avoid」「finish」「escape」 「put off」「stop」
などを動詞で使うと、後ろに不定詞は置けなくなり、動名詞を置かなければなりません。
ちなみに「megafeps」メガフェプスなんて覚え方が有名だったりしますが、
これは、動名詞しか使えない主要な動詞の頭文字をとった語呂合わせですね。これをもとに覚えると良いでしょう。
不定詞だけしか使えない動詞
「decide 」「hope 」「expect 」「pretend」などの動詞を使ったら後ろには不定詞をしか使えないとなっています。
どっちを使っても良い動詞
「start」「love」「like」「begin」などの動詞は、後ろは気にせず、動名詞でも、不定詞を使っても大丈夫です。
動名詞と不定詞で意味が変わる動詞
「forget」「try」「remember」「regret」など色々あります。
これらの動詞の後ろに動名詞、不定詞が来るとそれぞれ意味が変わります。
非常に大雑把にくくると、動名詞は過去のことを、不定詞がこれからのことを話す時に使う、って感じです。
例えばforgetは
「forget+動詞ing」で「~したことを忘れる」
「forget to 動詞の原形」で「~することを忘れる」
rememberも同様に
「remember+動詞ing」で「~したことを覚えている」
「remember to 動詞の原形」で「忘れないよう~する」
なんて違いが出ます。
このように不定詞と動名詞で全然意味が変わってしまいます。他にもたくさんありますが、まずはこの辺りを覚えておきましょう。
まとめ
今回は英語の動名詞「~すること」についてまとめてみました。使いこなせると非常に便利な反面、不定詞との違いなど使い方が少しややこしいところも出てくる単元ではあります。いきなり全ての単語を覚えるのは簡単ではないので、動名詞と不定詞で意味が変わる動詞から覚えていくと良いでしょう。